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北浜M&A通信
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和製アマゾン?
~M&Aという事業拡大に有効なツール、活用の先にあるものは(第19回)

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6月16日、米アマゾン・ドット・コムによる米国食品小売大手のホールフーズ・マーケットの買収が発表されました。欧州など米国外を含めた約500の高級スーパー店舗網を、手許現金の約3分の2の137億ドル(約1兆5000億円)の現金を投じて取得します。
  提携先の社長が、米国出張の土産をホールフーズ・マーケットで買ってきてくれました。ホールフーズの主力は「健康食品」です。「健康食品」といえば、日本ではサプリメントとかがイメージされますが、米国ではもう少し広い概念となります。 





 発表した翌日のアマゾンの株価は3%、ちょうどこの取得価額分ぐらい上昇し、事実上無償で取得した、と言われました。一般的に巨大買収は、行った側の株価が下がると言いますが、アマゾンであれば、若干業績と株価が低迷している会社も何とかしてくれるだろう、ということのようです。

 4月8日と9日に放送されたCS放送・日経CNBC「マーケッツのツボ」のトークの中で、RIZAPグループ(2928・札ア)によるM&Aへのコメントを求められました。今年だけでも、ジーンズメイト(7448)、ぱど(4833・JQ)を傘下に入れる発表を行い、それぞれ株価が大きく上昇しているが、これをどう考えればいいか、という話です。

 ジーンズメイトは発表前200円前後だった株を160円で取得する、いわゆる「ディスカウントTOB」でした。理論的には株価への影響は“中立”ですが、従来は、大株主がその株価で応じるのであれば何か事情があるのだろう、ということで、TOB価格に引きずられることが一般的でした。実際、取得後の3月10日に、特別損失の計上と業績予想の修正を発表しています。

 ぱどについては時価の約4分の1の価格で第三者割当増資を引き受けました。こちらについては希薄化する上に、いわゆる「有利発行」であり、理論的に株価は下がるところです。にもかかわらず、それぞれ株価が上昇したのは、過去に同じようなスキームでRIZAPが低廉に取得した企業の株価が上昇していること、そしてその背景として、本業の個人向けボディメイクが順調であり、買収した会社のボディメイクも期待させるIR(投資家への説明)がなされていることなどが理由でしょうか。

 その後も、RIZAPが5月23日に直近株価水準の半分以下である55円で第三者割当増資を引き受けると発表し、6月28日に取得した堀田丸正(8105・2部)の株価は、8月2日の終値で462円となり、RIZAPには多額の含み益が生じていますし、RIZAPの株価も同期間で67.7%にアップしています。もしかするとRIZAPについて「和製アマゾン」という言う人もいるかもしれません。

 6月20日に、2年余り前に第三者割当増資を引き受けて子会社化した夢展望(3185)より、親会社RIZAPから2億円の報酬を受け取る業務委託契約を締結したとリリースが行われています。合理的かつ正当な手続きに則ったものでしょうが、単独で稼いでいくには道半ばなのでしょう。業績不振や財務問題を抱える場合に必要な「継続企業の前提に関する重要事象等の注記」は今もついたままですし、6月30日には、東証から「債務超過の猶予期間入り」銘柄となったことが発表されています。
 放送の際、私は申し上げました。
 「M&Aは事業拡大に有効なツールであり、上手く活用して拡大している企業は数多くあります。一方で、「飛び石」を打つような買収を急ピッチに連発して、結果的に破綻の憂き目にあった元上場企業もいくらでも名前があがります。個人投資家としては、相乗効果が発揮できる「布石」となるM&Aを着実に実行できる企業を見極め投資することが利益につながるのでしょうね。」

※「マーケッツのツボ」の「第37回・M&A急増!投資家はどう利益につなげればいいか」の前半部分はYou Tubeでご覧いただけます。
>>次回


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