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北浜M&A通信
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デューデリジェンスについて②
~ゲスト講師の説明から受講者が受け止めたデューデリジェンスの本質とは(第14回)

前回に引き続き、同志社大学大学院で私が担当する「実践M&A」講座で、M&Aに精通した会計士をゲスト講師に招き、デューデリジェンス(以下「DD」)について受講者と考察したお話です。受講者には、講座を通じてお招きする6人のゲスト講師のお話についてそれぞれ小レポートを書いてもらっています。受講者Aさんの今回のレポートの一部を紹介させていただきます。(文意を損なわない範囲で修正しています。)

ゲスト講師がM&Aを「中古住宅を買うイメージ」と喩えられたことには説得力があった。M&Aは「企業同士の結婚」に喩えられることもあるが、人間の結婚とは愛し合った二人がお互いの人格を尊重しながら、結婚後に起こる問題点についてその都度対処しながら一緒に人生を歩んでいく。そこでの価値尺度は「愛」であり、その愛が無くなれば離婚となることが多い。一方、M&Aの場合、買収や(吸収)合併であり、そこではすべからく「カネ」が関与するので、価値尺度は「カネ」となる。
そうであるなら、同じ尺度で測れる方がわかりやすいので、「中古住宅を買うイメージ」の方がM&AにおけるDDの重要性も理解しやすくなる。
 ともに買った後に、クレームが言えるかが大事であり、そのためにも事前に行なう調査活動は大切であるとのことだった。M&Aの場合はそれがDDである。中古住宅を購入し、転居することで、親の面倒を見ることができる、通勤・通学が便利になる、等のことはM&Aになぞらえるとシナジー効果であり、それがビジネスDDであろう。宅地の地盤沈下の検証は環境DD、違法建築物件かどうかの検証は法務DDにあてはまる、というところか。ならば財務・法務・環境・ビジネスそれぞれのDDの連携が大事であることも理解できる。なお、M&Aの場合は中古住宅と違って、買った後には「人」も付いてくるので、人材の資質をチェックし、優秀な人材が離散しないよう努めることも必要となってくる。
譲受側はM&A後の成功の夢物語を追いかけるだけではなく、後で後悔しないための事前の調査活動であるDue Diligenceは直訳の通り「当然の努力」である。そしてM&Aでは譲手や譲受側のみならず、従業員や取引先などにも配慮した選択が望まれる。この段階で初めて「企業同士の結婚」の喩えが生きてくると感じた。


いかがでしょうか。ゲスト講師が、M&Aを「中古住宅を買うイメージ」に喩えたとき、この道二十余年のM&Aアドバイザーとしては、「経営者が手塩にかけて育てた対象企業を中古住宅に喩えるとはいかがなものか、正直これは受講者に誤解や錯誤を与えるのではないか、次の授業できっちりフォローしなければ」とその時は思いました。
しかしながら、ふだんの対話を通じて、まさしく経営者として真摯に事業に向き合い、事業承継を含めた「自社の存続と発展」のビジョンを得るべく大学院での学びを続けていらっしゃることを存じ上げているAさんがゲスト講師の話をこのレポートの形で咀嚼されていることに、私のほうが気付かされた感のある授業となりました。
余談ですが、譲受を考えるお客様の中には、「M&A案件」のことを「物件」とおっしゃる方がしばしばおられますが、私は、これまでも、これからもそこだけは訂正を行わせていただきます。
次回も、受講生から気付かされたお話を続けます。



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