お問い合わせ

tel.06-4706-2400(西はおまかせ)相談無料

Newspaper column

北浜M&A通信
北浜M&A通信

全ての記事を見る

100年人生のロールモデル
~福島で芋煮を食しながら大学生と語り合ったこととは(第22回)

 先月、福島大学経済経営学類奥本教授にお招きいただき、ゲスト講師として、ゼミナールの皆さまにお話させていただきました。昨年は、社会人を中心とする大学院生への講義であったので、「実践M&A講座」のダイジェスト版でお話をいたしましたが、今年は、ゼミナール後期第1回目の恒例行事、秋の福島の風物詩である「芋煮会」の場で楽しく学んでもらおう、ということとなりました。

 教養課程の2年生から卒業論文作成中の4年生まで、また経済学からマーケティング論までと受講生のレベルや関心がまちまちであることもあり、M&A(企業合併・買収)だけではなく、ビジネスマンの先輩として何かお伝えできれば、という思いも持ってお話いたしました。

 ちょうど当日、日本経済新聞の1面に「大廃業時代の足音」ということで、後継者難から中小企業の休業・廃業が増えている、という論旨の記事が出ておりました。その内容をかみ砕いてお話しするとともに、その前月、福島県内トップクラスの人材サービス企業が同事業を国内外で展開するウィルグループ(6089)のグループ入りをした事例や、福島市を本拠に冠婚葬祭事業を行うこころネット(6060・JQ)が同県本宮市の葬祭事業会社を買収した事例のプレスリリースを通じてM&Aがそこで果たす役割、可能性を把握してもらいます。

 その上で、「親が事業を営んでいて、自分が後継者たる立場にいる人」に挙手してもらったところ、約5分の1である4人の手が挙がりました。全員が、自分が後継者となることを意識しており、そのためにまずは金融機関に勤め経営を勉強しよう、という方もおられれば、親と同種の事業を自分で起業してその経験を踏まえて継いでいこうと考え、その業種でアルバイトをしている、という方もおられました。

 奥本教授は普段から学生に、「起業して経営者になれ」それができなければ「経営者になることができる会社に勤めろ」と指導していることもあり、流石です。ひとしきり事業承継とM&Aのお話をした後、今年話題となった「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著)のご紹介をしました。平均寿命は10年で2―3歳ずつ伸びており、2007年に日本で生まれた子供の半分は、107年以上生きると予想されています。従って、受講者の世代の半分はあと80年以上生きる事となります。そこでは、就職や引退の常識が変わり、人生に新しいステージが生まれます。過去のロールモデル(お手本となる生き方)は役に立たなくなります。受講生には熱心に聴いていただきましたし、ぜひ読んでみたい、という声も多数寄せられました。

  最近、より事業を発展させるために新たなパートナー企業に株式を譲る、という形のM&Aのお手伝いをさせていただいた50歳代の経営者Aさんのお話です。若干株を保有されていた学生であるご子息に対して、株式譲渡の説明とその同意を諮ったところ、「僕は継ぐつもりはなかったので、何の異存もない。それはそうと、これからお父さんは何かする予定はあるの?特にないのなら、卒業したら起業しようと思っているので、一緒にやろうよ」と言われ、驚いたそうです。Aさんは、株式を譲られた後も経営者の地位にとどまるので、今しばらくは共同経営者となることはないかもしれませんが、何年か先、人生100年時代の新しいロールモデルを作っていくことになるかもしれませんね。
 「新語・流行語大賞」のノミネート30語が11月9日に事務局から発表され、この「人生100年時代」も候補に入っています。
次回>>


最近の記事