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北浜M&A通信
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「2017年を振り返る」
~成約するM&A案件の中には、とっても息の長い話もあります(第24回)

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あけましておめでとうございます。今年もさまざまな切り口でM&A(企業合併・買収)にまつわるよもやま話をお届けしていきますので楽しく読んでいただければ幸いです。

 同志社大学大学院で私が担当する「実践M&A」講座の秋学期後期分は、先月4日に開講しました。本年からは、今出川キャンパスに加え、大阪サテライト(大阪梅田の阪神百貨店の南側にあります)での講義も行います。例年同様、初回講義では、導入を兼ねて受講者に2017年で最も印象に残るM&A案件とそれを選んだ理由を述べてもらいました。いろいろな意見が出ましたが、私は、いろいろな意味で東芝(6502・2部)が中心となった一年であったと思います。
 
 半導体子会社・東芝メモリについては、投資ファンドを軸としたいわゆる「日米韓連合」という元のさやに収まって決着したように見受けられますが、3月末のクロージングまでに越えるべき山はいくつか残っているようです。このテーマについては、いろいろなところで書かれていますので、ここでは述べないこととします。忘れてはならないのは、じわじわと拡がっている東芝グループの事業縮小が、取引先中堅中小企業へも影響を及ぼしていることです。事業承継案件を検討する譲受企業において、取引の継続可能性を含めた短期中期の見通しが難しく、価格とスピード感が損なわれている、という話を聞きます。事業承継型M&Aの件数は激増しているので目立ちませんが、神戸製鋼所(5406)、日産自動車(7201)や三菱マテリアル(5711)などの取引先も含めて、機会を逸することのないよう、アドバイザーとしてできることをしていきたいと思います。

 さて、昨年4月に放送されたCS放送・日経CNBC「マーケッツのツボ」で申し上げた「東芝グループにおいて『選択と集中』はさらに加速していくだろう」という想定通りのお話しとして、東芝テック(6588)が筆頭株主となっている国際チャート(3956・JQ)に対するナカバヤシ(7987)による株式公開買付け(TOB)が先月完了しました。11月8日発表された株式公開買付価格は258円で、前日終値の355円、過去1カ月終値単純平均276円を共に下回る、いわゆるディスカウントTOBとなり、その後の国際チャートの株価は、その買付価格を少し上回る水準で推移しています。第19回でお話したRIZAPグループ(2928・札ア)によるディスカウントTOB発表を受けたジーンズメイト(7448)の値上がりと異なり、本件が一般的な結果となったことをネガティブに捉える読者もいらっしゃるかもしれません。

 電波などを用いてID情報を埋め込んだRFタグのデータを非接触で読み書きする技術RFIDの用途拡大が進んでおり、その最前線に位置する東芝テックグループからの離脱がマイナスとみられるのでしょうが、平成23年に横河電機(6841)から東芝テックが国際チャート株式を取得した際に、ナカバヤシもその取得を検討していたとのことです。6年間が経過してもブレることなく待ち続けて、昨年3月(まさに私の発言のころですね)から機会到来とアプローチし、成就したわけですから、多少時間がかかっても相互に企業価値を高め合うシナジーが出現してくることを期待したいところですね。

※「マーケッツのツボ」の「第37回・M&A急増!投資家はどう利益につなげればいいか」の前半部分はYou Tubeでご覧いただけます。「マーケッツのツボ 三谷」でご検索ください。

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