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北浜M&A通信
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「海外投資家とのテレカンファレンス」
~国内M&Aアドバイザリーサービスには強い関心が寄せられているようです(第32回)

 前回の連載では、他社のM&A(企業合併・買収)アドバイザーにアドバイスをしたお話を紹介しましたが、このように、私のもとにはさまざまなご依頼がやってまいります。今回もそのようなご依頼のひとつをご紹介しましょう。

 外資系の会社が多いのですが、「その道のプロ」と「そのプロの知見を借りたい投資家や事業会社」をつなぐことを業とされている紹介会社があります。私の会社のホームページをご覧になられた紹介会社から、日本国内のM&Aアドバイザリービジネス(以下「M&Aビジネス」)の短期的もしくは中長期的な方向性を知りたいという外国の投資家とのテレカンファレンスに応じて欲しい、というご依頼が7月中旬にありました。

 あくまでも、その業界のプレーヤーとして私見を述べる、ということで先方の目的が達せられることを確認した上で、私の立場からすると、投資家はM&Aビジネスについてどういう点に興味があるのか、どのように考えているのか、を知るチャンスとも考え、お受けすることにしました。

 実際にテレカンファレンスが行われたのは、8月2日でした。ちょうど、M&Aキャピタルパートナーズ(6080)が7月27日に、日本M&Aセンター(2127)が7月30日に、それぞれ発表した四半期決算は、上場以来ほぼ見受けられなかった減収減益だったものですから、両社の株は連日大幅安を付けている最中です。

 最初の質問は、M&Aビジネスは継続的に拡大していく、という認識に変わりはないか、というものです。本連載でも再三お伝えしているように、少子高齢化等(継ぐ人がいない)や職業意識(継がない)、事業環境の変化(継げない)に伴う後継者問題を解決する手段として、事業承継型のM&Aの件数が増加する流れに変化を与える要素は何もない、と答えました。加えて、新しい動きとして、スタートアップ企業が大企業の傘下に入る、すなわち、若手起業家を中心に、ビジネスモデルを創出し、それを可視化できる程度に成長させ、バトンタッチのタイミングでキャピタルゲインを得る、というディールが急速に増えていることを説明しました。
 
 次の質問は、では何故、両者は減収減益に陥ってしまったのか、6月28日に発表されたストライク(6196)の四半期決算は増収増益なのに、この三者の戦略や成長性に差はあるのか、というものでした。前々回の本連載で指摘したように、調剤薬局のM&Aが大きな踊り場に差し掛かっている中、昨年一昨年と調剤薬局案件を多数こなし、その収益依存度が大きい場合には影響がある、と言わざるを得ません。振り返れば、M&Aビジネスは、規制緩和前のタクシー業界や酒類免許を有するコンビニエンスストア、寡占化が進む前の自動販売機オペレーターなど、その時々に高額の営業権が認められた業界に群がったり、強引とも言えるM&A戦略を繰り広げ破綻に陥った大手流通業や食品製造業、IT企業から収益を上げたりしてきたケースも枚挙にいとまがありません。

 三者は、その取り扱う案件数、幅を拡げており、私の昔話が当たるかどうか分かりませんが、ストライク(9月5日時点で年初来高値比19.6%下落)、M&Aキャピタルパートナーズ(同39.3%)、日本M&Aセンター(同24.3%)の株価を見る限り、市場はその懸念を持ち続けているのかもしれません。
投資家からの質問はまだ続きます。M&Aビジネスが拡大しているならば、そこに注目して参入者が増えると考えるが、その点についてどう思うか、というものです。この話、 次回に続けます。


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