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北浜M&A通信
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「スモールM&Aブームを考える」
~ブームに終わらせないための重要なポイントとは(第34回)

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 8月に、WEBマガジンの経営者インタビューを受けました。インタビュアーは、元阪神タイガースの野球解説者八木裕さんだったのですが、私に興味を持った理由を聞いてみると、「『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』という本をたまたま手にしてM&A(企業合併・買収)に興味を持った。大阪にもM&Aを取り扱う会社がある、と聞いてM&Aのビジネスに関わる人がどんな人か会ってみたくなった。」とのことです。

 「私も買いたい、とご相談すればご紹介いただけますか」とおっしゃる八木さんに「経営者の代打、いいですね。八木さんだったら神様ですから安心して紹介できますね」という私の冗談はさておき、今、八木さんが読まれた本に書かれているような「スモールM&A」という言葉がはやっています。最近、私が講師を務めるセミナーでは、必ずと言って良いくらい、質疑応答でこのテーマで質問されます。
 
 先日も、弊社のホームページにお問い合わせいただいたお客さまAさんがご来社されました。Aさんは、大企業に勤められていた経験を生かして、昨年広告代理店を起業されました。並行して、食品のネット販売も始められて順調に業績を伸ばしておられます。Aさんとしては、仕事を獲得しアウトラインを描くことは得意なので、これ以上の業容の拡大には、制作業務などで実働する2、3名の部隊が不可欠だが、これをM&Aで取得することはできないだろうか、というものです。
そのきっかけは、阪神間にある名所の近くの著名な食品小売店舗1店舗の株式譲渡案件の情報を得て検討したことだったそうです。結果的には、ネット販売との相乗効果が見えず見送ったとのことですが、いわゆる「スモールM&A」の存在に気付き、私のところに問い合わせてこられた、という次第です。
私からは、次のように答えました。「企業を譲り受ける側は、従来からの事業状況が継続されることを当然に期待しますし、それに対価を払います。広告代理店に限らず、『ヒト』が経営資源の多くを占めるサービス業では、譲り受けた後、離散してしまえば、その意味がなくなります。従業員は、経営者との信頼に基づいた雇用関係にあることが多いので、M&Aをきっかけに、辞めてしまうリスクが十分あります。従業員が一定人数いらっしゃれば、いわゆる『キーマン』がおられ、その方に、新しい体制の目指すものを理解いただき、チームを動機付けしてもらうなど、その対策を打つことが可能です。

 店舗についても、それらが賃借物件である場合には、その継続が保証されるとは限りません。複数店舗、あるいはその『ブランド』を取得することを目的としていれば、そのうちの1店舗が失われてもダメージは限定的です。従って、『スモールM&A』は、Aさんが勤務されてきた大企業が行っているM&Aよりも、リスク耐性が求められる話だと理解してください。」と。

 「それでは、起業したばかりの私は、M&Aを考えないほうがいいですね」と結論付けようとするAさんに私は申しました。「事業の譲渡を検討する経営者にとっては、その対価のみならず、『どのような人が』『何のために譲り受け』『どのように発展させてくれるか』イメージできることが重要であり、相手方に、Aさんのビジネスプランをきちんと理解していただく機会が得られれば、本を読んで唆されたサラリーマンの方々より可能性は高いので、情報をたくさん集めてみてください。そこから、じっくり進めていきましょう。」

 「経営者インタビュー」につきましては、「B-plus 三谷」と検索いただければ、ご覧いただけます。


次回>>12月7日更新予定


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