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北浜M&A通信
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「連載3年を振り返る」
~どんなニュースもそうですが「その後」があるものです(第37回)

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 前回の2018年の振り返りが好評だったので、今回も、過去3年間の本連載で紹介した事例がその後どんな経緯をたどったのか、を振り返っていきたいと思います。

 第6回「勝者の呪い」に登場したエアバッグ製造大手のタカタは、17年6月に東京地裁に民事再生法の適用を申請するとともに、米国のキー・セーフティ・システムズ社と事業譲渡に関する基本合意を締結しました。同11月の最終合意を経て、翌18年4月に同社への事業譲渡を完了。本社をミシガン州に置く「ジョイソン・セイフティ・システムズ」として再スタートを切りました。
 
 タカタの負債総額は1.5兆円強と製造業では戦後最大の破たん劇となったわけですが、結果として、745社の取引先で連鎖倒産した企業は1件もなかったようです。政府や政府系金融機関が、「セーフティネット」を発動・実施したこともありますが、主要取引先については、事業譲渡対価で全額弁済が図られ、新会社によって従来の取引関係・生産水準が維持されたことも大きかったようです。これはまさにM&A(企業合併・買収)の効用ですね。

 第18回「TOB(株式公開買い付け)合戦のいきさつ」でご紹介した、電子部品商社ソレキア(9867・JQ)の買収合戦で、ホワイトナイトとして登場した富士通(6702)を打ち破って敵対的買収に成功したフリージア・マクロス(6343・2部)は、新たな動きを見せました。

 建設コンサルタント業の協和コンサルタンツ(9647・JQ)が昨年8月に、筆頭株主が、フリージアに代わったことをリリースしました。出来高を伴った株価急伸を伴い、フリージアの所有割合は約30%まで増加しているもようです。従来の筆頭株主は売却しており、ソレキアにおける富士通のようなホワイトナイトはいない中、両者の水面下の交渉は始まっているのでしょうか。

 二の矢を継ぐ、というところでしょうが、ソレキアの方は、新体制となって1年4カ月が経過しましたが、グループ力を生かす、といった目立った動きは発表されておらず、19年3月期も微増収減益の予想となっています。

 第21回「選択と集中のきっかけ」では、17年の8月にLIXILグループ(5938)において、「プロ経営者」として招聘(しょうへい)された瀬戸社長(当時)が、6年前に創業家の主導で買収したイタリアの建材子会社の株式を中国企業に売却する契約締結を発表したことが、前任「プロ経営者」の拡大路線を転換する象徴と言われている話を紹介しました。

 ところが、この売却は実現しませんでした。LIXILは昨年10月、「連結子会社の異動の進捗(しんちょく)状況に関するお知らせ」というリリースにて、この売却について対米外国投資委員会の承認が得られなかったことを、翌11月に「連結子会社の異動の合意解除に関するお知らせ」というリリースにて、契約を解除する決議を行い、契約が失効したことを、それぞれ発表しました。

 しかしながら、この二つのリリースの「代表者名」は、前者は瀬戸社長、後者は潮田会長なのです。そう、この間に、瀬戸社長の退任が発表されました。16年6月に社長兼CEO(最高経営責任者)に就任してから2年余り。退任の理由は、記者会見の内容以外に巷間(こうかん)いろいろ言われているようですが、それは本連載の本旨ではなくほかに譲るとして、このM&Aのブレイクは皮肉なタイミングと言えます。

 先月21日、LIXIL株式が一時売買停止となりました。「MBO(経営陣の参加する企業買収)・本社移転・シンガポール上場という一連の計画」に関する一部報道への否定が会社からは行われています。今年を振り返るときには何かが起こっているでしょうか。

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